一日の終わりにお風呂に入って
化粧を落とした私は戦い疲れていた
感情を殺して　痛みに耐えて
今日を乗り切った私は酷く傷ついていた

灰色の空に心無い言葉が飛び交う
生き抜くためには鎧が必要

だから私は毎朝鏡に向かって
仮面を作るように化粧をする
本当の素顔は誰にも見せない
心許せる人だけに見せたい

誰かの無神経な言葉に負けず
笑顔浮かべる私は心引き攣っていた
涙を堪えて　嘘を塗して
今日を乗り切った私は汚れひび割れていた

濁った空気に思いやりは存在できない
悲しまないために盾が必要

だから私は毎朝筆を手にして
何度も塗り重ねて化粧をする
本当の素顔は誰にも見えない
私自身にさえもう見えない

真っ白な湯気が　化粧を洗い流す
心の鎧も剥ぎ取ってくれれば

だから私は毎晩お風呂の中で
仮面を剥がすように化粧を落とす
本当の素顔にまだ戻れるから
まだ決して手遅れではないから